『クライアントさんにとって、どんなカウンセラーで在りたいか』
この質問と向き合った時、自分の本質が少し見えてきました。
今日はそんなブログです。
こんにちは、心理カウンセラーのフミでございます。
早速ですが先日、先輩カウンセラーであるケイティさんこと桐山慶子さんの講座を受けてきました。
講座のテーマは『聴き方』
いかにも、というテーマですが(笑)駆け出しのカウンセラーさんや、カウンセラー業に興味がある方を対象とした内容の講座でした。
聴くことってカウンセラーにとってはもはやできて当たり前のこと。生命線であるわけです。だから決して過小評価してはならないところであり、磨きをかけていきたい部分。少なくとも僕はそう思っているわけです。
講座は2時間みっちり行われました。とても濃く、実践的な内容が盛りだくさん。
単に『聴き方』といっても本当に多様なアプローチができることを知り、こんなにもあるの?と発見だらけ。クライアントの言葉からいくつもの質問を組み立てる方法だったり、沈黙を上手に使いながら問題の本質を引き出していく方法だったり。セッション中の意識の置きどころにも細かく触れ、たいへん奥深い学びとなった時間でありました。
講座の中ではいくつかのワーク(質問に対して参加者が回答をシェアする時間)にも取り組んで、ケイティさんからだけでなく、他の参加者からも学ぶ場面が多くありました。
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講座が終盤に差し掛かかった頃、最後のワークがありました。
そのワークは「カウンセラーとしての在り方」を考え、シェアするというもの。
クライアントにとって自分はどう在りたいのか。
これ、思っていたより考え込んでしまいました。これだというものが全然頭に降りてきこない。先日卒業したお弟子さん制度でも散々向き合ってきたこの問いかけ。なんでここでスムーズに書けないんだ?と、どことなく恥ずかしさや焦りを感じ始めていました。
うーん…となっている目の前で、チャット欄には参加者の回答がどんどんシェアされていく。
内容を一つ一つ読みあげていくケイティさん。個性が溢れた回答の連続に「みんなスゲェー」と独り言をつぶやきながら、僕はひたすら悩み、考えていました。
そして全部の回答が読みあげられたちょうどその時でした。咄嗟に何かが僕(の頭)に降りてきたのです。
すぐに言語化し、慌てるようにキーボードを打ち、Enterキーを押しました。
その内容とは、
でした。
すぐさまケイティさんが反応し、「おー、静かな愛ですね」と言ってくださいました。
"静かな愛"
そうなんだー、と棒読み気味に納得しました。
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自分のシェアが読まれた後、チャット欄をスクロールして全員の回答を一通り読み、最後にまた自分の回答を読み直していました。
『一言も喋らず、ただそばにいるだけでクライアントさんに安心感や包容力を感じてもらえるカウンセラーになりたいです。』
僕は考えていました。
自分の回答を見つめながら、なんでこんな内容を書いたのだろうと。
一言も喋らなくてもいい。それ、カウンセリングなの?
そんなんで安心感って与えられるの…?
2分ぐらいジーッと眺めていました。
そしてふと部屋の天井を見上げたとき、
「そんな人が俺の人生にはいなかったから。どこにもいなかったから、だよな。」
そんな想いと繋がったんです。
「安心できる人が誰もいなかったんだ」
と、腑に落ちました。
そしたら次の瞬間、涙がドバッ大量に溢れてきたんです。
勢いよく滝のように溢れ出てきました。水の入ったバケツがバーンと倒れたように、すごい勢いで。それはもういきなりでした。
急に哀しくなったんです。心が疼きました。
誰からも気にかけてもられず、寂しくて辛かった自分。
誰にも助けを求められなかった自分。
孤独を感じないようにギリギリでいつも生きていた自分。
自分を偽って、必死に明るく振る舞っていた自分。
安心できる人や場所がどこにもなく、生きる気力を失っていた自分。
目の前にあるパソコンの画面に目をやりながら、いろんな過去がフラッシュバックしていました。
過去に負った深い傷。それに触れた瞬間でした。
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安心感。
僕とは無縁だったこの感覚。喉から手が出るほど欲しかったこの感覚。
家族や学校と繋がれず、安心のあの字もない孤独な人生でした。浴びるように感じてきた寂しさと孤独感、そして不安。それが深い傷となったまま、ずっと生きてきました。
そんな人生だったから安心感というキーワードには特に敏感になっていました。孤独や不安しか感じて来なかったからこそ、”安心すること”がどれほどの大切なものなのかを十分理解できるんです。
きっと僕は潜在的に”人を安心させる感覚”を知っているんじゃないかとも思いました。知っているから、感じてもらいたくなるし、与えたくなる。講座の中で頭に降ってきたのが”安心感”だったことも、自然だったのかなと思ってしまいました。
同じ傷を抱えたまま生きて欲しくない。受け入れたい。もう大丈夫だよ、と安心してもらいたい。
僕の在り方のルーツは、過去の傷にあったのです。
一人でも多くの人に話を聴いてもらえるんだ、受け入れてもらえるんだ、安心するってこういうことなんだ、という感覚を感じてもらいたい。
究極を言えば、言葉なんて一言二言だけでいい。本当はいらないかもしれない。ただ寄り添い、ホッと安心してほしい。それだけなんだと思います。
きっとそれがクライアントに一番届けたい価値であり、僕が与えたいものなのでしょう。
カッコいい提案はできないかもしれない。求めている返できないかもしれない。
でも来ていただいたクライアントには、
『もう大丈夫なんだ』
『ここなら安心なんだ』
『受け入れてもらえるんだ』
そう感じてもらうこと。
たとえそれがオンラインであろうとも、目の前にいようとも。
そんなカウンセラーに必ずなれるよう、これから努力していきたいと思いました。
それが僕にとっての喜びであり、本質であり、在り方だから。
心理カウンセラー フミ